VTR250定番流用カスタム!ブレーキキャリパー流用のやり方と制動距離の検証【決定版】


どーも、ホデナスです。


ポンコツホデナス号こと、私のVTR250に、兼ねてより計画していたフロントブレーキの流用強化カスタムを施し、実際に制動距離がどう変わるのか検証までやってみました!

ポンコツホデナス号こと私のVTR250

本記事は以下のようにまとめてありますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。


  1. 流用に関して知っておきたい基礎知識(けっこう重要)
  2. 流用に必要な部品等
  3. 流用のやり方(組み付け方)
  4. 制動距離の検証
  5. まとめ



1.知っておきたい基礎知識


VTR250の純正フロントブレーキはシングルディスクのホンダ純正ニッシン片押し2ポッドキャリパーで取り付けピッチは80mmです。

VTR250のホンダ純正ニッシン片押し2ポッドキャリパー


また純正のマスターシリンダーサイズは11mmです。

このマスターシリンダーサイズは流用に関して結構重要なポイントになるのでしっかり覚えといてください。



そして定番の流用カスタムといえば、ホンダ車のスポーツ向けバイクに多く純正採用されている62mmピッチのホンダ純正ニッシン対向4ポッドキャリパー(以降ニッシン4ポッドキャリパー)を使うことです。

62mmピッチ、ホンダ純正ニッシン対向4ポッドキャリパー


片押し2ポッドから対向4ポッドにすることでブレーキシステムのグレードアップが行えますが、取り付けピッチが違うので当然そのままでは取り付けられません。


Nプロジェクトから発売されている上記流用向けのVTR250用キャリパーサポートが必要になります。(↓楽天最安値※ホデナス調べ)

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このキャリパーサポートがあればVTR250にニッシン4ポッドキャリパーがポン付けで装着できますが、少し注意が必要です。


実はこのニッシン4ポッドキャリパーは、外観から分けると大きく3タイプ存在しています。


ここでは勝手に前期、中期、後期と呼称し、流用に関しての注意をご紹介します。




■前期型

NSR250R(MC18・MC21)やVFR400R(NC30)等に装着されているキャリパーです。 ニッシンのロゴが正面から見えないのが特徴。

この前期型は装着(流用)できません。キャリパー選定の際は注意してください。

NSR250R(MC18)のキャリパー ※借り物画像


■中期型

ホーネット250(MC31)、NSR250R(MC28)、RVF(NC35)、CB1000SF(SC30)、VTR1000F(SC36)等に装着されてるキャリパー。ニッシンのロゴが正面から見えてパッドピンが1本のみなのが特徴。

この中期型は流用可能です。

後ほど詳細説明しますが、VTR250と一番親和性があるのはこの中期型です。

ホーネット250(MC31)のキャリパー ※借り物画像


■後期型

CB400SF(NC39・NC42)、CBR600F4(PC35)、CB1300SF(SC40)、CB1300SF(SC54)等に装着されているキャリパー。ニッシンロゴが正面から見えてパッドピンが2本あるのが特徴。

この後期型もVTR250へ流用可能ですが少々難ありです。※後ほど説明

※借り物画像


上記で紹介した通り、VTR250には中期と後期のニッシン4ポッドキャリパーが流用可能です。

それぞれのブレーキ仕様を表にまとめてみました。

他にも車種があると思いますが、国内販売があった車種をメインに独断と偏見で記載してます



ここでひとつ思い出してください。

VTR250の純正マスターシリンダーサイズは11mmでディスクはシングルです。


上記の表より、一番VTR250と親和性があるのは同じマスターシリンダーサイズでシングルディスクの中期キャリパーを使用しているホーネットになります。

※シングルディスク、マスター11mmとキャリパーピストンΦ30、Φ27の組み合わせが純正設定されるほどバランスが良い


ホーネット以外の中期キャリパーもキャリパーピストン径はΦ30とΦ27なのでVTR250マスターシリンダーサイズとの親和性は問題ありませんが、ダブルディスクなのでどうしても入手性に難があります。


中古で右側のキャリパーだけ売っているのは稀ですし、ダブルなのでホーネットに比べるとやはり割高になります。




一方の後期キャリパーは、パッドピン2本仕様でパッドの組み付け剛性が向上されており、比較的新しい車種に採用されているので補修部品がでやすい等のメリットがありますが、キャリパーピストン径が大きめの設定でVTR250のマスターシリンダーサイズとはややアンマッチです。


そのまま後期キャリパーを流用するとレバーストロークが増え、かなり柔らかめのブレーキタッチになることが予想されます。



後期キャリパーはマスターシリンダーのサイズアップも視野にいれる必要があり、費用がかかる上にマスターシリンダーとキャリパーピストンのマッチング知識も必要になるので上級者向けですね。

なので後期キャリパーの流用はVTR250にとっては少々難ありという訳です。



ですが後期キャリパーが一番かっこいい(個人的に)と思います。制動力以外にも外観にこだわりたい人にはオススメですね。かっこよさは正義です!




以上を踏まえ、自分の目的にあうニッシン4ポッドキャリパーを選んでいただければと思います。

ちなみに私はホーネット250(MC31)のキャリパーを選定しました。




2.流用に必要な部品


流用に必要な部品は主に以下になります。


  • ニッシン4ポッドキャリパーASSY(今回はホーネット250(MC31)用)
  • Nプロジェクト・VTR250用キャリパーサポート
  • バンジョーボルトのシーリングワッシャー

こんなところでしょうか。※油脂類や工具類は割愛してます


キャリパーですが私はホーネット250のモノをヤフオクで購入しました。

そのまま使えそうになかったのでオーバーホールを行ってます。ピストンの固着がひどくて苦労しました。ブレーキパッドも新品にしてます。

オーバーホールしたホーネットキャリパー


詳細は下の記事にまとめてありますので、よければご覧下さい。


【関連記事】

ホーネット250のフロントブレーキキャリパーのオーバーホールのやり方(NSR250R/MC28と同じ)




3.流用のやり方(組み付け方)


3.1 ノーマルキャリパーを外す


組み付け編です。

まずはキャリパー側のバンジョーボルトを緩めてブレーキホースを外します。

バンジョーボルトについているシーリングワッシャーは再利用不可なので注意が必要です。また、フルードが漏れてもいいようにウェス等で養生しておきましょう。



バンジョーボルトが外れたら下記部位のボルトを外しフロントフォークからキャリパーを外します。

外す前にキャリパーをディスクに押し当てピストンを縮めておくキャリパーが外しやすいです。

外したキャリパー内部にはフルードが残っているのでダバァしないよう気をつけましょう


【補足】

ちなみにこの時、マスターシリンダーのオーバーホールも同時に行いました。フルードも全量完全に新品交換したかったので、ノーマルキャリパー外す前にマスターシリンダーからホースまでのフルードを抜いています。(エア抜き苦労フラグ)

キャリパー交換のみならフルードを抜く必要はないです、むしろ抜くとエア抜きが大変になるので注意が必要です。


【関連記事】

VTR250 フロントブレーキのマスタシリンダのオーバーホール




3.2 キャリパーサポートを取り付ける


Nプロジェクトのキャリパーサポートを、先程外したボルトを使ってフロントフォークに取り付けます。

Nプロジェクト・キャリパーサポート


サービスマニュアルに沿って30Nmで締めました。

この段階でかっこいいです。ニヤニヤが止まりません(*´∀`*)




3.3 ニッシン4ポッドキャリパーを取り付ける


Nプロジェクトのキャリパーサポートに付属していたボルトを使ってキャリパーサポートにニッシン4ポッドキャリパーを取り付けます。

ここも30Nmで締めました。



次にブレーキホースを取り付けます。新品のシーリングワッシャー2ケをブレーキホースを挟むようにセットし、バンジョーボルトを34Nmで締めます。

やだ…かっこいい(*´艸`*)



3.4 ブレーキラインのエア抜きを行う


ここまできたらあとはエア抜きを行うだけです。

マスターシリンダーに新しいブレーキフルードを補充します。作業中は常に量をチェックしフルードが空にならないように注ぎ足してください。

マスターシリンダーにブレーキフルードを満たす


この状態からブレーキレバーをニギニギしてキャリパーにフルードを流します。

マスターシリンダーのフルードが空にならないように注ぎ足しながらブレーキレバーにある程度タッチが戻るまで繰り返します。



ある程度タッチが戻ったら、ブリーダースクリューにホースと適当な容器をセットします。

ブリーダースクリューにホースと容器をセット


準備ができたら、


レバーをニギニギ、握りっぱ →  ブリーダースクリューを緩める → ブリーダースクリュー締める → レバーを離す


を、ブリーダースクリューからエア混じりのフルードがでなくなるまで繰り返し、タッチがしっかりしたら終了です。



ちなみに、純正キャリパーよりニッシン4ポッドキャリパーの方が容量が大きいので、ブレーキタッチは純正より少しだけ柔らかくなるので注意が必要です。


また、いきなり全開のフルブレーキングではなく、最初は低速でしっかりブレーキが効くか確認してください。

効きがイマイチであればエア抜きが不十分なので、やり直しましょう。



【補足】

前述してましたが、今回の一連の作業と同時にマスターシリンダーのオーバーホールも行っていたので、ブレーキラインにフルードがゼロの状態でした。この状態からのエア抜きは本当に苦行です…

上記のやり方だけではフルードと時間がかかりすぎるのでシリンジを使って時短しました。

それでも1時間くらいかかりましたorz




4.制動力距離の検証


キャリパー交換前後で、時速40kmからフロントブレーキのみを使用した急制動で停止距離を各5回測定しました。路面は両方ともドライです。

制動距離測定中…

■純正キャリパー(ニッシン片押し2ポッド)

1回目:13.4m

2回目:13.3m

3回目:12.5m

4回目:13.1m

5回目:12.9m

平均:13.04m



■ホーネット250キャリパー(ニッシン対向4ポッド


【2020年9月24日】測定位置に誤りがあり制動距離が間違っておりました。お詫びして訂正いたします。

1回目:8.4m 9.8m

2回目:8.5m 9.9m

3回目:8.6m 10.0m

4回目:8.5m 9.9m

5回目:8.6m 10.0m

平均:8.52m 9.92m



ブレーキパッドの違いやオーバーホール直後とかもあるので、一概には比較できませんが、平均で 4.52m 3.12m ほど制動距離が短くなりました。


4.52m 3.12m…これは万一の追突や危機を回避するには充分な距離です!


また、純正のブレーキタッチよりストロークが少し増えたことで、握れば握るほどリニアに制動力が強くなるコントロール性の向上が、素人の私でも実感できました。


超極端にいうと、「今まではどれだけ握っても一定の効き(実際そんなことないですが)」だったのが、「握れば握るほどしっかり効きが強くなる」感じです。



断言します!このブレーキ流用強化カスタムはかなり効果ありです!




5.まとめ


以下、本記事のまとめになります。


・VTR250に流用可能なブレーキキャリパーは中期型と後期型

・一番簡単に流用できるのはホーネット250(中期キャリパー)

・後期型流用時はマスターシリンダーサイズとのマッチングに注意

・流用カスタムで制動距離は 約4.5m 約3.1m ほど短くなるポテンシャルがあり、コントロール性が向上する


以上、最後までお付き合いありがとうございました。


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【自分用メモ】

・ホーネット250中古キャリパー(ヤフオク):4,101円(送料1,101円込み)

・フロントブレーキフルオーバーホール時距離:16040km