どーも、ホデナスです。
今回はバイクのブレーキラインのエア抜きを簡単にできる方法の紹介です。
※タイトル通りシリンジ(注射器)やボトルポンプは使いません
やったことある方はわかると思いますが、キャリパーやマスターをオーバーホールした後や、ブレーキホースの交換等でブレーキラインに大量のエアが噛んだ状態(レバーがふにゃふにゃの状態)からのエア抜きはかなり面倒で、セオリー通りの一般的なエア抜きのやリ方だけではすごく時間がかかってしまいます。
これはバイクのマスター(ブレーキフルードを押し出し油圧をかける装置)のサイズが小さいため、ブレーキラインに大量にエアが噛んでる状態ではブレーキレバー(ペダル)握ってもエアを排出できるだけのブレーキフルードを送れないからです。
もちろんセオリー通りのやり方で出来なくもないですが、経験がなくコツがわからない人は下手したらいつまでたっても終わらないと思います。
私自身、一度だけブレーキラインにフルードがゼロの状態からセオリー通りのやり方だけでエア抜きしたことありますが、そのときは2~3時間くらいかかった苦い記憶があります…あれはほんとに大変でした。
ですので、シリンジ(注射器)やボトルポンプ等の負圧でフルードを吸い、時短を図る方法がメジャーですが、これらの方法は両手がふさがったり、マスターのフルード残量が確認しにくかったりとなにかと面倒な点があります。
※シリンジ(注射器)でキャリパー側からマスターにフルードを注入するやり方もあります
ちなみに、私は両方とも試したことがあるのですが、わずかながら作業性にストレスを感じてしまいました。(それでも一般的なエア抜きよりはかなりラクですよ)
今回ご紹介する方法は、霧吹きなどで使われるスプレーノズル(スプレーヘッド)を使ったもので負圧を使うという根本の原理は一緒ですが、エア抜き中は片手で作業できるので作業中の行動制限をうけにくく、マスターのフルード残量も随時確認しながらエア抜きできるのでかなりおすすめです。※スプレーノズルは100均等で簡単に手に入ります
というわけで、詳細は以下のようにまとめてあります。ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。
1.スプレーノズルを用いたエア抜き補助具の制作
2.スプレーノズルを使ったエア抜きのやり方
3.まとめ
【注意】
これらから紹介する方法(シリンジやボトルポンプ使ったやり方も含む)はあくまでもブレーキラインに大量にエアが噛んだ状態から早くエアを抜くための補助的な役割がメインで、最終的にはセオリー通りのエア抜きが必要です。
理由は後述しますが、この方法を過信することなく最後は堅実に一般的なセオリー通りのエア抜きを実施していただくようお願いします。
また、ブレーキは命に直結する重要保安部品です。不安な方はプロに任せましょう。
1.スプレーノズルを用いたエア抜き補助具の制作
まずは下記の材料をそろえます。
■準備するもの(材料)
・スプレーノズル(100均のスプレーボトルで可)
・空のペットボトル(キャップ付き)
・耐油チューブ1m程度(今回は内径は4mmのものを使いました※ホームセンターで198円/m)
材料が準備できたら以下の要領で作っていきます。
■作り方
A.空のペットボトルキャップにスプレーノズルが入る程度の穴を開ける
→使うスプレーノズルのサイズに依存するが今回は12mmの穴
→スプレーノズルを入れたときの隙間が小さい場合はエア抜き用の穴も開けておくとベター
B.ペットボトルキャップに開けた穴にスプレーノズルをセット
→固定はノズルの絞りキャップを締め込むだけOK
→スプレーノズルとキャップが干渉する場合はキャップをヤスリ等で削る
C.Bをペットボトルに取り付ける
→吸ったフルードはすべてペットボトルが全部回収してくれる
D.スプレーノズルの吸い込み口に耐油チューブを取り付けて完成
→耐油チューブは使用する前にシュミレーションして使いやすい長さにカットする
これで完成、簡単ですね!
2.スプレーノズルを使ったエア抜きのやり方
イ.キャリパーのブリーダースクリューを緩めスプレーノズルの耐油チューブを差し込む
→必要に応じブリーダースクリュー周りをウェス等で養生する
ロ.マスターのタンクキャップを外しフルードを満たす
→必要に応じマスター周りをウェス等で養生する
ハ.スプレーノズルでトリガーハッピーする(訳:フルードを吸うまでスプレーノズルのトリガーをひたすら繰り返し引く)
→定期的にフルードの残量を確認し、マスターのタンクが絶対に空にならないようにフルードを補充する
ニ.ある程度フルードを吸ったらブリーダースクリューを締め、ブレーキレバー(ペダル)を引いてブレーキタッチを確認する
→ある程度ブレーキタッチが戻ったら耐油チューブを外し「ホ」のセオリー通りのエア抜き手順へ、ブレーキタッチが戻ってなければブリーダースクリューを緩め再度「ハ」へ
ホ.余ってる耐油チューブをブリーダースクリューに差し込み、チューブの出口に任意の容器をセットする
ヘ.ブレーキレバー(ペダル)を数回握っては戻すを繰り返した後、握りっぱなしにしブリーダースクリューを緩めて締める
→緩めるとブリーダースクリューからフルードが排出される
→緩めてる最中は絶対にブレーキレバー(ペダル)を戻さないこと
→定期的にフルードの残量を確認し、マスターのタンクが絶対に空にならないようにフルードを補充する
→本工程を何回か繰り返しブリーダースクリューからエアが混じりのフルードが排出されなくなったら「ト」へ
ト.ブリーダースクリューをしっかり締め、耐油チューブをブリーダースクリューから取り外す
チ.マスターのタンクに規定量のフルードが入ってることを確認し、キャップを取り付ける
→フルードが規定量に足りない場合や多い場合は調整する
リ.ウェス等でこよりを作りブリーダースクリューに残ったフルードを吸い取る
ヌ.バイクを押し引きしブレーキがしっかり効くことを確認し作業終了
3.まとめ
ざっくりではありますがこんな感じになります。
冒頭にも申し上げましたが、バイクはマスターサイズの都合で、フルードがある程度ブレーキラインに満たされないうちはセオリー通りのエア抜きでは本当にびっくりするくらいエアが抜きづらく、要領がわかってないとといつまでたっても終わらない可能性すらあります。
ですがこの方法であれば、慣れてくるとブレーキラインにフルードがゼロの状態からでも10~20分もあればエア抜きできます。※ダブルディスク車は倍の時間かかりますが
また前述したようにスプレーノズル等の負圧を使った方法でも仕上げは一般的なセオリー通りのエア抜きが必須です。
ブリーダースクリューから負圧を使ってフルードを引っ張ると、微量ながらブリーダースクリューのネジ山等からエアを吸ってしまい、ブレーキタッチや効きは問題ないのにいつまでたってもブリーダースクリューからエア混じりのフルードが出続けるためエア抜きが完了の判断ができなくなります。
最後はセオリー通りのエア抜きを行い、ブリーダースクリューから排出されるフルードにエアが混じってないことをしっかり確認していただくようお願いいたします。
もちろん判断や作業は自己責任でお願いしますね。
ちなみに今回の作業映像はこちらからご覧いただけます、よければ見てみてください!
以上、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
より良いバイクライフを!